インバウンドの需要回復はいつ?!
2019年のインバウンド観光客数は3188万人で、消費額は4兆8000億円。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う入国制限でインバウンド観光客数は2020年の4月以降、ほぼゼロの状態が続いています。
経産省によると、漁業や農業などの原材料取引を含めた2019年のインバウンド観光客の生産波及効果は7兆8000億円で、直接的な消費額の1.75倍にもなるという。つまり、インバウンド観光客の直接的な消費額以外に75%の別な経済効果を生んでいた事になります。
世界ではワクチン接種が進み、国内外への観光目的での移動が徐々に活気を見せているニュースをよく見かけるようになりました。
日本においては、2回の接種を終えた人口はまだ10%にも満たないが、政府は10月から11月にかけて、希望するすべての人へのワクチン接種を終えるとする目標の達成は可能だという認識を示しています。
そこで、日本のインバウンド需要回復はいつになるのか、様々な記事を参考に情報を集めて見ました。
訪日再開の見通しは JNTOがインバウンドフォーラム
2021年3月3日 記事
抜粋:
インバウンドの現状などについて観光庁の三輪田優子国際観光課長が説明。世界の国際観光市場の見通しついて、国際機関の予測を紹介した。国連世界観光機関(UNWTO)の今年1月の発表によると、2020年の世界の国際観光客到着数は前年比74%(約10億人)減で、19年の水準に戻るには2年半から4年かかる見込み。20年は観光からの輸出収入額は推計1・3兆ドルの損失で、1億人から1・2億人の雇用が失われる恐れがある。国際航空運送協会(IATA)は、国際線が19年と同水準に回復するには24年までかかる見通しという。
JNTOの調査によると中国の人たちは往来再開後1年以内に海外旅行をしたいという気持ちがあるようです。
海外旅行に行く条件(隔離免除・ワクチン開発・普及)が現実的になってきたら、もしくはそれ以前にも旅行先の検討を始めるのではないでしょうか。日本側はインバウンド需要に対する準備をしておいたほうが良さそうです。
中国市場の海外旅行再開の見通しは、ワクチン開発・普及を前提に2022年春以降になる見込みのようです。
【国内ランドオペレーター社 最新調査】2年連続売り上げ8割ダウン インバウンドを支えた旅行会社が壊滅寸前
2021年5月26日 記事
抜粋:
アフターコロナの際には、必ずインバウンドの回復が見込まれます。そして、そのときにはFITや小グループの旅行から、特に富裕層から回復するのではないか、といわれています。そうした少人数で高単価・高収益の旅行には、オーダーメイドの富裕層旅行に加え、MICEや教育旅行に必要な高付加価値のコンテンツや丁寧な対応・手配が求められますが、このときに重要なのが国内ランドオペレーター社の力です。もはや彼らの力無しには、アフターコロナのインバウンドの成功はおぼつかないともいえます。
アフターコロナのインバウンド市場の完全復活には相当の時間がかかることが予想されますが、本調査では平均すると2023年にようやく2019年と同レベルに復活できる、との見解でした。
ランドオペレーターとして廃業してしまっている会社が多々あるとのこと、とても残念です・・・
2023年にようやく2019年と同レベルに復活できるという見解で、政府の支援を必要としていたり、期待感を感じながらも、需要の急回復に対する不安があるランドオペレーターが多いようです。
インバウンド回復の見込みというよりは、ランドオペレーター視点の諸々の見解が記載されており、興味深い記事でした。
「2022年に観光需要が再び戻ってくる」UNWTO専門家委員会の60%が回答
2021年06月07日 記事
抜粋:
5月31日にUNWTOが発表した国際観光市場についての最新の調査では、UNWTOの専門家委員会の60%が「2022年に観光需要が再び戻ってくる」と予測していることがわかりました。
さらに、コロナ前の観光市場と同水準まで回復する時期については、ほぼ半数となる49%の専門家が「2024年以降」と予測しているとのことです。
ワクチン接種がどれだけ進むかと、検査の手軽さががインバウンド回復のカギとなることは明らかです。2022年に観光需要が戻ってくるのだとしたら、それまでにインバウンド需要に備えておくのがベストでしょう。
【独自調査】9割がインバウンド売上「大きく落ち込んだ」…客足戻り始めは前回調査より楽観傾向に:新型コロナ意識調査実施
2020年05月21日 (Updated 2021年02月05日)記事
抜粋:
インバウンドの客足予想「オリンピックまでには戻る」が多数
1年以上前の記事では、今頃にはインバウンドが戻っている想定もしていた右往です。現状を考えると大分楽観的な想定になっています。ここまで長引くとは想定していなかった企業も多いのではないでしょうか。
COVID-19影響を踏まえた需要予測
2020年9月 資料(PDF)
抜粋:
今秋にも渡航制限が解ける想定で楽観的に長期予測した場合、2022年1月時点で約70%まで回復し、平常時トレンド水準まで回復するのは2023年1月となると見込まれる
コロナを踏まえた需要予測シミュレーションサービスの提案資料のようです。データに基づいたインバウンド需要予測については、必要としている企業が多いのではないでしょうか。
日本の旅行市場の回復、世界的調査会社が予測、2023年にはパンデミック前の水準に、オンライン予約は2019年超えと分析
2021年06月21日 記事
抜粋:
世界的調査会社が予測、2023年にはパンデミック前の水準に、オンライン予約は2019年超えと分析
一番最近の記事です。
こちらの記事は日本の国内旅行の市場を世界的調査会社が予測したもので、インバウンドについての調査予測ではなさそうですが、インバウンド需要予測の参考になるのではないでしょうか。
ドイツ観光局、日本市場の本格回復は2023年からと予測、サステナブル旅行への関心高まりで「自然」をテーマにアピールへ
2021年06月21日 記事
抜粋:
ドイツ観光局、日本市場の本格回復は2023年からと予測
日本から見るとドイツへのアウトバウンドに関する記事なので、インバウンドとは逆になりますが、ドイツでは最近のサステナブルトレンドを踏まえて旅行に取り入れる準備をしているようです。
最近のインバウンドの回復見込みの記事がもっと多いと予想していましたが、思ったより古いものが多く、新しい記事が少ない印象でした。変異株の流行やワクチン接種の状況により予測が変わってくるので、記事を書くことが難しいのかもしれません。
しかし、早ければ観光需要が2022年に戻り始め、2023~2024年には2019年時の活気を取り戻す可能性があります。
今から海外から来る旅行客向けの集客の準備をスタートしても、早すぎることはないでしょう。
中国観光客向けのウェブサイトのパフォーマンスを確認・改善されたいようでしたら、ぜひ私たちにご相談ください。現在の状況を把握し、今後どのようにアピールしていくことができるか、ご提案させていただきます。
【編集後記】
イメージ画像で使わせていただいているのは、熱海ー初島間をつなぐ旅客船インドバカンス号です。
コロナ感染症対策の一つとして、リモートワークやワーケーションなどと共によく聞くようになったマイクロツーリズム(小旅行)という言葉がありますが、東京ー熱海は新幹線で40分。熱海港ー初島港がこの定期船で30分。
たった1時間ちょっとの旅程ですが、新幹線と船の旅が楽しめ、街の喧騒を離れた島に辿り着くことができます。
小さな島なのでこぢんまりとはしていますが、新鮮な海の幸を贅沢に使った丼ぶりや刺身、煮魚などの定食を島の漁師が営む「食堂街」で楽しみことができ、グランピングも楽しめるPICA初島などの宿泊施設もあります。
いままで普通だったことが普通ではなくなってしまいましたが、逆に新しい視点を持つこともできるようになったのではないでしょうか。
この状況下でしか気付けないことがたくさんあるのかもしれません。
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