LMSの活用はコロナ禍限定のものではない!

LMSの活用はコロナ禍限定のものではない!

日本が抱える「人材不足」や「後継者問題」「介護問題」などの主な社会問題は、そのほとんどが「少子高齢化」に端を発していると言えます。
様々な社会的場面に影響を及ぼすこの問題は、新型コロナ感染症の対策のように、将来的にその改善策を導き出せるようなものではなく、まさに日本の社会がその問題の渦の中に突き進んでいく状況で、各所でその対応が求められています。
そしてこの対応は限定的なものではなく、数十年に渡り継続的に必要になっていくのです。

そこで、今回コロナ禍において大学などのリモート授業に活用されたChinaSPEEDが、この継続的な課題に対しどう貢献できるのか。数ヶ月前までLMSに関わる現場にいた弊社のルーキーにレポートを書いてもらったのでここでご紹介します。


少子化における10年後の教育機関の生き残り方とは?
10年後も存続し続ける大学になるための方法

少子化による18歳人口の減少は、日本の多くの私立大学にとって大きな問題とされています。十分な学生数を確保できず、学費収入で大学の経営が回らなくなってしまう恐れがあるからです。

それでは、日本の私立大学はどうやって入学者数を増やしていく必要があるのか。ポイントは“社会人”と”留学生”です。

社会人になっても大学で学び直せる?

まず、社会人で、もう一度大学に通いたいと考え、25歳以上で大学や大学院に進学する人は、現在日本では少ないという調査結果がありますが、それでも今後、社会人でありながら大学で学び直そうとする姿勢を持つ人は増加傾向にあると言えます。

高等教育機関への進学における25歳以上の入学者の割合
〈高等教育機関への進学における25歳以上の入学者の割合〉

海外では「学びなおし」という大学等への進学の割合が多い中、なぜ日本では社会人の大学等への進学率が低いのでしょうか。簡単には、「費用が高い」「勤務時間が長くて時間がない」との理由が挙げられます。では、ここでの通信制大学の利点は何でしょう?

通信制大学の最大の利点は、オンラインで授業を受けられるという点です。コロナ禍によって身近になった「リモート」により、我々は時間を有効的に使うことができるようになりました。そのため、通信制大学では、働きながらでも無理することなく授業をオンラインで受講できるのです。

中国人留学生が日本の大学を存続させる大きなカギ

次に、留学生で、日本に留学してくる学生数が最も多い国はどこでしょうか。はい、中国ですね。JBpressによると、現在約530万人とされている世界の総留学生数のうち、中国人留学生は約160万人を占めています。また、中国人留学生の主な留学先に日本が選ばれる割合が増えてきているのが、コロナ禍以降の現状です。以前は、アメリカなど欧米諸国への留学が中国でもスタンダードな考え方でした。しかし、近年の米中対立や、コロナ禍における留学の新しい考え方として、安心・安全な留学ができるかどうか、という観点も加わるようになっています。日本の教育機関は、アメリカなどの欧米諸国と比較して安い学費であるという点、中国からも近い距離にある、などの観点から、留学生は、日本は比較的安心して留学ができると考えているようです。

また、Kai Tak Education Study Abroad Divisionの「2020年の中国留学市場と2021年の展望」によると、2021年以降、海外の大学等への進学を志望している中国人留学生は特に大きな影響を受けることはなく、約7割の学生は期間をずらしたものの、結果的には留学を中止することなく渡航しています。留学を中止したのは、わずか4%でした。

2020年の中国留学市場と2021年の展望
〈2020年の中国留学市場と2021年の展望〉

このように、中国人の留学意欲は依然変わらないモチベーションであります。したがって、日本の大学はより中国人留学生があなたの大学での留学を選ぶように、何かを仕掛けていく必要があるのです。

10年後も存続し続ける大学になるためには?

コロナ禍でも、留学を諦めずに渡航できる日を待っていた留学生がいます。3年次編入で2年間を日本の大学で学ぶ予定だった学生です。最初の1年間は日本に渡航できず、オンデマンドの授業を受けていました。しかし、留学先の日本の大学が使用していた学習システムはGoogle Classroom。

China Speed HP表示スピードテスト Google Classroom東京(左)と上海(右)との比較結果
〈China Speed HP表示スピードテスト Google Classroom東京(左)と上海(右)との比較結果〉

中国からはアクセスが不可能です。そこで中国人留学生とのコミュニケーションで使用されていたのはWeChatでした。日本の大学の職員がWeChatを使って講義資料や動画を送ります。そして留学生たちはレポートを作成し、WeChatで送付します。送られてきたレポートは職員がGoogle Classroom上にアップロードし、アップロードされたレポートを教員が採点します。そして、フィードバックの内容をさらに職員がWeChatで中国にいる留学生に送付します。まさに人的なプラットフォームですね。その大学は留学生数が20名ほどだったので、なんとか職員の手作業でも処理可能な範囲でしたが、大規模大学の場合どうなるのでしょう。日本に渡航できない中国人留学生数が数百人を超えると、留学生1人1人にはどうしてもWeChatのような対応ができません。しかしここで、中国にいながら日本の大学のLMSが利用できるようになれば、このコロナ禍でも1人残らず留学生を日本の大学で受け入れることができるでしょう。

では、中国にいながらLMSを使えるようにするためには一体何をしたらよいのでしょうか?

ChinaSPEEDのサービスを利用すれば中国にいても日本の教育機関のLMSを利用がよりスムーズになるでしょう。ChinaSPEEDの HPでは、moodleやmanaba、canvasなどのLMSの中国での表示スピードのテストを試すことができます。では、実際にmoodleやmanaba、canvasが中国でも使えるかどうか?詳しくはこちらの記事をご覧ください。

思い切って経営方針を変えることも大切

日本の少子化は現在も加速したままです。そのため、今後も日本の深刻な問題として、我々は少子化に対応した経済の仕組みを構築していかなければなりません。特に、高等教育機関が、さまざまな分野の研究について必要な改善・充実に努め、質の向上を図ることは、今後も重要な課題です。大学などの高等教育機関は、今後も教育業界の中で生き残り、且つ将来の日本のためにより良い教育を提供し続ける必要があります。10年後も存続し続ける教育機関になるためには、18歳年齢人口へのアプローチだけでなく、社会人や海外の学生、特に中国人留学生をもターゲットとして考えていくことが重要です。その方法の1つとして、ChinaSPEEDが役に立てることがあるのではないかと考えています。少しでも気になることがありましたら、ぜひ弊社までご連絡ください。

参考記事URL
文部科学省「社会人の学び直しに関する現状等について」
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/065/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2015/04/13/1356047_3_2.pdf
JBPress「世界最大の160万人、中国人留学生はどこへ?」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62105
Kai Tak Education Study Abroad Division「中国留学市場2020年盤点与2021年展望」https://www.sznews.com/news/content/2021-01/11/content_23880559.htm

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