中国マーケティングにおけるウェブサーバーについて

中国マーケティングにおけるウェブサーバーについて

こちらのキャプチャ動画は、日本政府観光局の日本観光情報ウェブサイトの中国向けコンテンツを、日本と中国で表示スピードチェックしたものです。

一般的に中国から日本のウェブサイトにアクセスした
場合、ページ全体の読み込みに長い時間がかかったり、表示されたとしても画像や動画などいくつかのリソースが表示されない場合があります。
でもこのサイトは速いですね!

これには秘密があります。
日本語サイト:https://www.jnto.go.jp/jpn/
中国向け:https://www.japan-travel.cn/
香港向け:https://www.japan.travel/hk/hk/
台湾向け:https://www.japan.travel/tw/tw/
韓国向け:https://www.japan.travel/ko/kr/
シンガポール向け:https://www.japan.travel/en/sg/ 

このようにそれぞれの国に合わせて、コンテンツを分けて情報配信しています。

さらに興味深いのが、大きく3つのエリア(日本、中国、それ以外)に分け、別々のドメインで運用していることです。
日本向けに”www.jnto.go.jp”、中国向けに”www.japan-travel.cn”、それ以外の地域に”www.japan.travel” が使われており、それぞれの運用サーバーを調べてみると、、、

www.jnto.go.jp
www.japan-travel.cn
www.japan.travel

本体サイト(日本政府観光局サイト)と同じドメインの日本向け観光情報コンテンツはAkamaiを使い、travel.cnの中国向けコンテンツはICPライセンスを取得した上で中国国内サーバー(China Telecom)を利用。それ以外のアジア地域はtravelドメインで、Amazonの CloudFrontを使用しています。

シンガポール向けウェブサイト(https://www.japan.travel/en/sg/)はCloudFrontを使用しているので、中国以外の地域ではやはり表示速度が速くなっています。
逆にいうと、一般的なCDNやクラウドサーバーを利用しても、中国国内からのアクセスに対しては表示速度の高速化や最適化を実現できるわけではないのです。

ここでもう一度中国向けウェブサイトの表示速度について詳しく見ていきましょう。

冒頭の動画で速く見えた表示速度ですが、これらの数値をみると完璧ではないようです。
例えば左の図ですが、ページ全体の読み込み時間(Loading Time)が東京で10.2秒に対し北京では27.4秒となっていますね。また、この数値の下のPage SizeやResourcesを見ると、それぞれ東京の数値より少ない数値が表示されているのが分かります。これらは、本来の全てのウェブパーツが読み込まれていないことを教えてくれます。

右の図はウェブのパーツの個数に対する読み込み速度です。
(仕様上アメリカとの対比になってしまっているのでご注意ください)
50個までのリソースの読み込みは早いのですが、それ以上になると中国での読み込み速度がグンと下がってしまっています。
おそらくここが原因で、一見表示速度が早いように見えてもページ全体の読み込み時間(Loading Time)が中国では遅くなってしまっているのでしょう。全てが見える状態ではないのです。

このように、中国マーケティングにおいてウェブコンテンツの配信を行う場合、いくつかの課題に対して対策を考えておかないと、どんなにプロモーションにお金をかけてもその全てが無駄になってしまう場合があります。
かといって今回ご紹介させていただいた日本政府観光局のように、AkamaiやCloudFront、中国サーバーのように、多くの費用と労力をかけられるものでもありません。

だからこそ私たちがご案内するChinaSPEEDのように、簡単でスピーディーな導入と包括的なソリューションをご検討いただき、今まで以上に訪日観光客に喜んでもらえる新しいインバウンド観光の形を築いていただきたいと願っております。そのために私たちにできることがあれば、喜んでご協力させていただきます。


■■■ 編集後記 ■■■

このプロジェクトに関わり、様々な観光情報サイトを見てきました。
観光資源を軸に、様々な形で連携を組み地域の経済活性に貢献しようと頑張っているのを強く感じます。
もっとこの景色を、もっとこんな情報をたくさんの海外の人たちに届けられたらと感じます。
私たちが見ても感動的なシーンに、日本の文化や景観に興味を持っている外国人たちがちゃんと出会うことができたら、彼らにとって日本の旅はもっともっと良くなるものだと思います。
前の記事で「訪日観光客の需要回復」について書かせていただきましたが、たくさんの外国人たちが、早く日本を訪れたいと強く思っていることは間違いありません。
そんな人たちの次の旅が、より良いものになることを切に願っております。

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